編集委員会報告

(1)編集委員の退任について

田邉 稔先生が2024年3月31日付で編集委員を退任された.村上雅彦先生が2024年3月31日付で編集委員を退任され,4月1日付で編集顧問になられた.野村栄治先生が2024年4月30日付で編集委員を退任された.福内 敦先生が2024年4月30日付で編集委員を退任され,5月1日付で編集顧問になられた.

(2)編集委員の委嘱

丹羽隆善先生(獨協医科大学埼玉医療センター准教授),布部創也先生(がん研有明病院院長補佐 消化器センター胃外科部長),野村幸世先生(星薬科大学薬学部医療薬学研究室教授),長谷川潔先生(東京大学大学院医学系研究科臓器病態外科学肝胆膵外科,人工臓器・移植外科教授)が2024年4月1日付で会長より編集委員を委嘱された.

(3)学会誌電子化について

日本臨床外科学会雑誌は,第85巻4号(2024年4月号)より,完全に電子ジャーナルに移行した.
閲覧は「MEDPORTAL」というサイトを介して行うが,冊子体のページをめくるような感覚で閲覧できる機能を強化している.通常号,および学術集会・日程プログラム,学術集会抄録を掲載す る.なお,これまで同様、6カ月程度の遅れで,個々の論文はJ-STAGEでも閲覧可能となっている.
電子化に伴い、以下の点について変更した.①無償・有償を問わず,別刷は作成しない.②図表のカラー印刷に関わる料金を廃止.ただし,図表の色調・コントラスト等は提出原稿のままで,学会側で補正はしない.③学術集会の抄録集は第83回総会以来Web版のみの作成となっているが,今後も同様の方針を継続.④従来は学術集会プログラム集を通常の学会誌と同様に会員各位に郵送していたが,今後はこれを取りやめ,開催案内のみを会員に発送する.冊子体としての学術集会プログラム集は学術集会会場でのみ配布する.⑤発行日/公開日を毎月25日発行から毎月15日公開へ変更(過渡的措置として第85巻4号のみ2024年5月15日公開.).
2024年8月6日,会員専用ページと「MEDPORTAL」とのシステム上の連携を実現したことで,電子ジャーナル化の作業を完了とした.

(4)投稿規定改訂について

学会誌電子化に伴い,カラー印刷料金の撤廃,別刷作成の取り止め等により投稿規定の一部を改訂した.

(5)会員へのお知らせについて

学会誌電子化の導入に向け,5月のMEDPORTAL上での公開開始,8月の会員専用ページとの連携の各々について具体的手続きの方法を文書でお知らせした.

(6)「即時掲載」制度の名称変更と料金改定について

本誌には以前より「即時掲載」の制度があり,1.査読者の即時決定(通常は月2回,まとめて決定),2.優先的査読,3.採用決定後の可及的速やかな掲載を意図するものであった.多くの場合,採否決定まで一定の時間が必要で,「採用」決定の論文は月1回開催の編集委員会で表題等の確認作業を行い,著者との確認のうえ,編集委員会の開催月の3カ月先の号に掲載される.「即時掲載」希望論文であっても,掲載まで最短で3カ月,査読内容によってはさらに1~2カ月,時にはそれ以上を要する.本誌は,オンライン即時公開の仕組みを持たないため,これ以上の所要期間短縮は不可能である現状の状況を踏まえ,「即時掲載」の名称を「優先掲載」に変更し,料金は従来の「刷り上がり1ページ毎に11‚000円(税込)加算」を「採用論文1編につき11‚000円(税込)加算」に変更した.本変更は,2025年1月発行の86巻1号掲載の論文より(投稿時「優先掲載希望」でなく「即時掲載希望」とされた論文も含めて)適用する.

(7)綜説掲載について

会員の外科臨床実践に資するため,近年外科診療面で確立されつつある新しい治療法や考え方等を,「綜説」として掲載し会員に提供している.本年は第85巻1号に乳腺・内分泌領域,第85巻4号に上部消化管領域,第85巻9号に下部消化管領域,第85巻11号に後腹膜・腹壁領域の綜説を掲載した.

(8)委員構成

委 員 長 宇田川晴司        
副委員長 橋口陽二郎        
委  員 明石 定子 石原聡一郎 浮山 越史 岡本 高宏 小野  聡
金子 公一 幸田 圭史 小林 宏寿 齋浦 明夫 佐々木 愼
佐田 尚宏 佐野 圭二 志田 晴彦 杉田  昭 須並 英二
鍋谷 圭宏 丹羽 隆善 布部 創也 野村 幸世 長谷川 潔
船橋 公彦 由利 康一      
編集顧問 泉雄  勝 細田 泰之 大原  毅 小平  進 跡見  裕
炭山 嘉伸 草野 満夫 加藤 抱一 小原 孝男 横森 欣司
日置 正文 万代 恭嗣 平澤 博之 小野寺 久 貞廣莊太郎
國土 典宏 杉山 政則 望月 英隆 熊谷 一秀 小西 敏郎
金子 弘真 石川  進 高山 忠利 土岐  彰 村上 雅彦
福内  敦        

(9)委員会の開催

2024年 回:1月17日 回:2月14日 回:3月13日
回:4月10日 回:5月15日 回:6月19日
回:7月31日 回:9月18日 回:10月16日
10回:11月13日 11回:12月18日(予定)

(10)会誌の発行状況

①第85巻8号まで発行済(8月末日現在).
②投稿から掲載までの時間は,原著約10カ月,臨床経験約5カ月,症例約6カ月を要している.

(11)投稿論文の推移



種別
令和2
(2020)
令和3
(2021)
令和4
(2022)
令和5
(2023)
令和6年(2024)
(8月末日現在)
原著 29
(8)
〈28%〉
20
(3)
〈15%〉
26
(4)
〈15%〉
19
(3)
〈16%〉
14
臨床経験 32
(18)
〈56%〉
25
(13)
〈52%〉
19
(10)
〈53%〉
17
(8)
〈47%〉
13
症例 651
(355)
〈55%〉
561
(328)
〈58%〉
451
(247)
〈55%〉
427
(260)
〈61%〉
257
合計 712
(381)
〈54%〉
606
(344)
〈57%〉
496
(261)
〈53%〉
463
(271)
〈59%〉
284
( )内は採用論文数,〈 〉内は採用率.

(12)掲載論文数と頁数

巻(年)

種別
81巻
(2020)
82巻
(2021)
83巻
(2022)
84巻
(2023)
85巻(1~8号)
(2024)
綜説 6 11 9 15 9
原著 8 2 5 4 1
臨床経験 14 13 14 8 6
症例 297 320 279 258 139
Letters to the Editor 0 0 0 2 2
支部・集談会抄録 35 26 43 20 25
合計 360 372 350 307 182
頁数 2565 2329 2178 1955  
増刊:総会抄録 633 1556 583 542  
総頁数 3198 3885 2761 2497  
  1. ※種別「綜説」には,“綜説”以外に“学会賞受賞記念講演”“学会会長講演”“総会会長講演”“特別寄稿”の掲載論文数を加えています.
  2. ※82巻(2021)「増刊:総会抄録」は,従来の1頁あたり6演題から2演題に段組み変更により頁数が増加しています.

(13)2024(令和6)年度優秀論文賞候補論文の選考

過去1年間に本誌に掲載された論文の中から優秀論文賞を贈呈している.例年通り編集委員会において最終候補論文を選考して幹事会に答申し,幹事会での協議の結果,本年は原著1編,臨床経験1編,症例報告6編に贈呈することになった.

1)原著
第85巻2号
 抗血栓療法継続下での鼠径部切開法による鼠径部ヘルニア手術の安全性
…広島市立舟入市民病院外科  亀田 靖子他
2)臨床経験
第84巻11号
 高齢者(72-94歳)の閉鎖孔ヘルニア嵌頓に対する低侵襲治療の経験
…国保多古中央病院外科  藤井 康矢他
3)症例
  1. ①乳腺・内分泌領域
    第85巻5号
     ペンブロリズマブ併用術前化学療法でpCRが得られた乳腺基質産生癌の1例
    …新潟県立中央病院外科  佐藤 友威他
  2. ②上部消化管領域
    第84巻11号
     保存的治療を行った胃癌穿孔の7例
    …立川相互病院外科  高橋 雅哉他
  3. ③下部消化管領域
    第85巻8号
     下部消化管穿孔後に急激な転帰を辿った血管型Ehlers-Danlos症候群の1例
    …磐田市立総合病院消化器外科  三須 敬太他
  4. ④後腹膜・腹壁領域
    第84巻11号
     Progressive preoperative pneumoperitoneumを行った腹壁瘢痕ヘルニアの1例
    …立川綜合病院外科  蛭川 浩史他
  5. ⑤肝・胆・膵・脾領域
    第85巻1号
     腹腔鏡手術を行った漏出性胆汁性腹膜炎を合併した急性胆囊炎の1例
    …国立病院機構名古屋医療センター外科  伊藤将一朗他
  6. ⑥心血管・呼吸器・小児・救急・その他領域
    第85巻10号
     肺非結核性抗酸菌症に対する手術治療後の遅発性感染性胸壁囊胞の1例
    …徳島赤十字病院外科  山本 清成他

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