会長挨拶

万代 恭嗣万代 恭嗣

(ばんだい やすつぐ)

学会会長

年頭所感

 新年明けましておめでとうございます.

 会員の皆様におかれましては,まずはお健やかに新年をお迎えのこととお慶び申し上げます.

 令和4年はその前年と同様,新型コロナ感染症への対応が喫緊の課題であり,夏にはこれまでで最大規模となった第7波による感染者数の急増が医療提供体制の逼迫を招くこととなりました.過去の流行と比較して重症化率は必ずしも高くないとはいうものの,皆様におかれましては従前にも増した対応をされたことと,心より敬意を表します.

 さて,学会のもつ重要な機能のひとつである総会開催に関しましては,第84回学術集会が11月24日からの3日間,現地参加形式で盛大に開催されました.年末からの第8波が取り沙汰される中,素晴らしいプログラム内容で現地開催を英断された赤木由人会長,藤田文彦準備委員長をはじめ関係者の皆様には,この場を借りて敬意を表明するとともに,重ねての御礼と慰労を申し上げます.

 本学会の中心的事業は,跡見前会長から引き継いだ,若手外科医の支援と,各都道府県支部との連携,関係強化であることに変わりはありません.支部関連につきましては,新たに副委員長を設けるなど支部委員会を強化して,各支部での学術集会などの折に学会本部役員が現地に赴いて交流しつつ情報を交換するなどの計画が進められております.もうひとつの本委員会の重要事業である「次世代の臨床外科医のための特別セミナー」については,令和3,4年はコロナ禍によりやむなく中止といたしました.本年度は第11回として周到な感染対策とともに開催へ向けての準備を進めていただいており,本セミナーに対する各方面の期待も高いことから,第8波のまん延状況を注視しつつ,できるだけ開催の方針としております.

 ホームページについては,従前の取組に加え,さらなる充実が広報委員会においてなされるとともに,一般の国民を対象としたページのサイトビュー数が伸びており,当該ページを担当された各委員の労を多とするとともに,本学会の地位向上に繋がるものと期待しております.

 学会誌のオンライン化については,編集委員会を中心として,紙媒体での便利さをできるだけ失わないような方策をはじめとしたデザインが検討され,最終段階となっています.昨年も述べましたように,近年の会員数減少などから,赤字基調予算への経費削減効果はきわめて大きく,余裕の生じた財務運営から,上記の主要事業をはじめとした各種の方策を充実するとともに,新たな企画も立案できると考えております.これまでの会長も目指していた,女性会員の評議員・役員への積極的登用については,数値目標などを定めつつ,いま一歩進めたく考えております.

 国は,社会保障関係費の国家予算に占める割合が大きいことから,医療費抑制策への圧力を一層強めており,昨年度盛んに議論された外来機能分化をはじめとして,医療現場への影響は大きいものがあります.本会に所属する医師をはじめとした臨床外科医の活動が損なわれないよう,わが国の医療提供体制のよい部分は残しての効率化の提案も必要と考えております.

 国は新型コロナウイルス感染症との併存に舵を切りつつあり,本感染症の上手な制御法を模索しながら,会員諸賢のご助力を得て,日本臨床外科学会としての特徴を持った運営をして行きたいと考えておりますので,本年もどうぞよろしくお願い申し上げます.

(2023年1月)

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