更新日:2019年7月11日

7.いつまで外来通院が必要か?

術後いつまで通院が必要か?という問題に関する答えはありません。甲状腺がんの場合、例えば最も進行の遅い乳頭がんでは、術後20年を超えて再発することもあるため、専門医の間では術後15年以上の経過観察が必要とする意見が大半を占めています。また甲状腺ホルモンは上述の通り生涯に渡って必要となることから、再発のみならず甲状腺ホルモン値のフォローも、生涯必要になります。

8.甲状腺がん以外の甲状腺結節

濾胞腺腫

濾胞細胞から発生する良性腫瘍です。超音波所見や細胞診所見では濾胞がんと区別することができないために、濾胞がんを疑って手術を行い、術後の病理組織検査で濾胞腺腫と診断されることがあります。

腺腫様甲状腺腫

腺腫の様に甲状腺が腫れている状態で、多くの場合において一個ではなく複数の結節が発生しています。これらの結節は厳密には腫瘍ではなく、甲状腺の細胞が増殖(過形成といいます)して、しこり状に発達したものです。超音波検査と細胞診検査で甲状腺がんと区別することができます。

9.参考図書、情報サイト

国立がん研究センター がん情報サービス 2018年のがん統計予測
(https://ganjoho.jp/public/index.html)
ウルトラ図解 甲状腺の病気. 伊藤公一監修. 研友社印刷.2016年
スーパー図解 甲状腺の病気. 伊藤公一監修. 研友社印刷.2009年
甲状腺腫瘍診療ガイドライン2018. 日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌.35巻. 2018年
多発性内分泌腫瘍症 診療ガイドブック. 金原出版. 2013年

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