日本臨床外科学会 令和7年度優秀論文賞 受賞コメント
1）原著
第86巻6号
「急性胆石性胆嚢炎に対する術前超音波内視鏡ガイド下胆嚢ドレナージの有用性」
NTT東日本関東病院外科
長尾 厚樹他
この度は、令和7年度優秀論文賞という身に余る栄誉を賜り、誠にありがとうございます。心より感謝申し上げます。日々の臨床・研究活動の中で得られた成果をこのような形で評価いただけたこと、大変光栄に存じます。本研究にあたりご指導いただきました先生方、ご協力いただきました胆膵内科の皆さまに心より感謝申し上げます。今後もこの受賞を励みに、患者さんに還元できるような実践的かつ意義ある研究に努力を重ねてまいります。この度はこのような素晴らしい賞をありがとうございました。
2）臨床経験
第86巻7号
「生体腎移植におけるマージナルドナーの腎予後および手術成績」
国家公務員共済組合連合会虎の門病院腎センター外科
井上 翔太他
このたびは栄誉ある優秀論文賞を賜り、誠に光栄に存じます。本研究は、生体腎移植におけるマージナルドナーの腎予後と手術成績を明らかにし、安全なドナー選択と移植成績向上に寄与することを目的としたものです。本研究を共に進めてくださった石井保夫先生、中村有紀先生、横山卓剛先生、三木克幸先生をはじめ、腎移植チームの皆様に深く感謝申し上げます。今後とも、安全で質の高い腎移植医療によって、より多くの患者さんが救われることを心より願っております。
3）症例報告 ①乳腺・内分泌領域
第86巻7号
「オラパリブが7年著効しリスク低減卵管卵巣切除術を行った再発乳癌の1例」
昭和大学医学部外科学講座乳腺外科部門
中山 紗由香他
このたびは優秀論文賞を頂戴し、大変光栄に存じます。今回報告したオラパリブが著効し長期CRが得られた再発乳癌症例は、治療薬の進歩が患者さんの人生設計にも大きな影響を与えることを実感させる稀少な経過でした。先生方に症例を共有できたことを嬉しく思います。ご指導いただいた諸先生方、協力くださった医療スタッフに深謝申し上げます。本症例を通じて新たな臨床的課題も見えており、今後も疑問を解明すべく積極的に取り組み、診療・研究に励んでまいります。
3）症例報告 ②上部消化管領域
第86巻5号
「内科治療困難な貧血で胃全摘術を行った胃限局性若年性ポリポーシスの1例」
昭和伊南総合病院外科
犬塚 久総他
このたび優秀論文賞を賜り、大変光栄に存じます。専攻医2年目で論文執筆に不慣れな私に対し、終始丁寧にご指導くださいました北原弘恵先生をはじめ、多くの先生方に心より感謝申し上げます。若年性ポリポーシス症候群は稀な疾患で、原因遺伝子が近年特定され発症機序も徐々に明らかになりつつありますが、いまだ不明な点も多く、本症例も診断や治療に苦慮しました。本症例のような胃限局型は本邦に多く、本報告が今後の診療の一助となれば幸いです。今回の受賞を励みに、より良い医療を目指して精進してまいります。
3）症例報告 ③下部消化管領域
第86巻5号
「外科的切除を要した下腸間膜動静脈奇形による難治性虚血性腸炎の１例」
福島県立医科大学医学部消化管外科学講座
八子 博貴他
このたび日本臨床外科学会優秀論文賞という栄誉ある賞を賜り、誠に光栄に存じます。本論文では、下腸間膜動静脈奇形という稀な疾患を原因とする虚血性腸炎の症例を報告し、血管内治療と外科的治療の選択に関して考察いたしました。本報告が、同様の症例に直面した際の臨床判断や知見共有の一助となれば幸いです。ご指導・ご協力を賜りました諸先生方に心より感謝申し上げます。今後も臨床、学術活動を通じ、より良い医療の発展に努めて参ります。
3）症例報告 ④後腹膜・腹壁領域
第86巻8号
「TAPP法で修復した鼠径部interparietal herniaの2例」
笛吹中央病院外科
四元 宏和他
この度は優秀論文賞に選出していただき、誠にありがとうございます。ご指導いただいた西山徹先生、共著者の平山和義先生、そして査読者の皆様に、心より御礼申し上げます。日々の業務に追われ、論文執筆をおろそかにしていた私にとって、今回の受賞は大きな励みであると同時に、改めて研究に真摯に向き合う契機となりました。本論文が、鼠径ヘルニアの診療および治療の発展に、わずかでも貢献できれば幸いです。今後も患者様のため、そして医療のさらなる発展のためにより精進してまいります。
3）症例報告 ⑤肝・胆・膵・脾領域
第86巻8号
「肝円索経由で血栓除去を行った特発性門脈血栓症の1例」
杏林大学医学部肝胆膵外科
吉田 智幸他
この度は、門脈血栓症の治療に関する本論文に優秀論文賞という栄誉を賜り光栄に存じます。ご指導いただいた阪本良弘教授に、心より感謝申し上げます。教授の的確なご助言と熱意溢れるご指導なくして、この受賞は叶いませんでした。また、本論文の査読に際し貴重なご意見を賜った査読者の方、ならびに編集委員会の皆さまにも深く御礼申し上げます。本研究の成果が、門脈血栓症の治療発展に貢献し、一人でも多くの患者様の救命につながることを願っております。この受賞を糧に、今後も臨床へ還元できる価値ある研究に邁進して参ります。
3）症例報告 ⑥心血管・呼吸器・小児・救急・その他領域
第86巻4号
「肺内気管支原性嚢胞壁から発生した粘表皮癌の1例」
相澤病院外科センター
三澤 賢治他
このたびは優秀論文賞という栄誉を賜り、誠にありがとうございます。本症例「肺内気管支原性嚢胞壁から発生した粘表皮癌の1例」は、稀な発生機序を示唆する興味深い経験でした。診断の過程では、病理診断科の小豆畑康児先生に詳細な病理学的検討と多くのご助言を賜り、的確な診断に至ることができました。心より感謝申し上げます。今回の受賞を励みに、今後も臨床と病理の連携を大切にしながら、より良い診断・治療に貢献できるよう研鑽を重ねてまいります。