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一般のみなさま
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万代 恭嗣 会員(JCHO東京山手メディカルセンター)撮影
2016年4月 あべのハルカスの眺め

更新日:2020年3月2日

(3) 進行度分類と病期

胃がんの進行度は、がんがどの深さまで達しているか、リンパ節に転移があるか、ほかの臓器に転移があるか、この3つの要素から判断されます。これを「進行度分類」といいます。

進行度に密接にかかわるがんの深さと転移

がんが進行すると、その臓器を越えてがんが広がったり、リンパ節や離れた臓器に転移したりします。

粘膜にがんがとどまっている場合、転移率は低いですが、粘膜下層までがんが達している場合には5人に1人、筋層までがんが達している場合は2人に1人とリンパ節転移のリスクが高くなります。

筋層までがんが達していると、血行性転移のリスクも高くなります。さらに、漿膜までがんが達している場合は腹膜播種性転移のリスクが高くなります。このように、がんが胃の壁のどこまで深く達しているかという「深達度」は、転移と深く関係しています。

進行度によって病期が分けられる

胃がんの進行度分類としてもっとも広く使われているのは、「TNM」分類です。Tは「がんの深さ(深達度)」、Nは「リンパ節転移の有無とその範囲」、Mは「遠く離れた臓器への転移(遠隔転移)の有無」です。

この分類は画像診断などで診断される臨床分類と胃切除の病理所見によって診断される病理分類に分けられます。臨床分類では病期(ステージ)はⅠ, ⅡA, ⅡB, Ⅲ, ⅣA, ⅣBの6段階に分かれます。病理分類では病期はⅠA, ⅠB, ⅡA, ⅡB, ⅢA, ⅢB, ⅢC, Ⅳの8段階に分かれます。

summary胃がんの進行度分類(TNM分類)と病期

 

臨床分類

N0

領域リンパ節※に転移がない

N(+)

領域リンパ節に転移がある

T1, T2

がんが胃の筋層までに留まる

ⅡA
T3, T4a

がんが胃の筋層を超えているが他の臓器まで及んでいない

ⅡB
T4b

がんが他の臓器まで続いている

ⅣA

肺や肝臓など他の臓器に転移している

ⅣB

※胃の近くにあって、転移しやすいリンパ節のこと。「胃治療ガイドライン」では、13個のリンパ節を「領域リンパ節」 としている

 

病理分類

N0

リンパ節転移なし

N1

領域リンパ節のうち、1~2個に転移している

N2

領域リンパ節のうち、3~6個に転移している

N3a

領域リンパ節のうち、7~15個に転移している

N3b

領域リンパ節のうち、16個以上に転移している

M1

胃の領域リンパ節以外にも転移している

T1a(M)

粘膜内に限局している

ⅠA ⅠB ⅡA ⅡB ⅢB
T1b(SM)

粘膜下層に達している

T2(MP)

筋層に達している

ⅠB ⅡA ⅡB ⅢA
T3(SS)

胃の筋層を超え、漿膜下層に達している

ⅡA ⅡB ⅢA ⅢB ⅢC
T4a(SE)

がんが漿膜を超え、胃の表面に出ている

ⅡB ⅢA
T4b(SI)

がんが胃の表面を出た上に他の臓器にも続いている

ⅢA ⅢB ⅢC

※胃の近くにあって、転移しやすいリンパ節のこと。「胃治療ガイドライン」では、13個のリンパ節を「領域リンパ節」 としている

治療法や予後にも深く関係する病期

進行度を見極めること、つまり病期を知ることは、がん治療において非常に重要です。なぜなら、病期によって治療法が異なるからです。

日本胃癌学会が作成する「胃癌治療ガイドライン」には、病期ごとに最も効果があるとされる治療法が示されています。それを、一般的に「標準治療」といいます。

病気は、治療法だけでなく予後(治療後の病気の経過や生存率)にも影響します。医師の説明を聞いたら、自分の病期を必ずメモしておきましょう。